ジョージア大の石川ケニーが24日(日本時間25日)、契約金37万5000ドル(約6100万円)でシンシナティ・レッズと契約し、米国でプロ野球選手としてのキャリアを始めると自身のInstagramで発表した。レッズは12日のMLBドラフトで、左投左打の石川を13巡目、全体392位で指名していた。
石川は2025年のNPBドラフトでもオリックス・バファローズから6位指名を受けていた。日米双方の球団から指名され、ジョージア大に残る選択肢もあった22歳は、本人が「人生の中で最も難しい決断の一つ」と記した末にレッズを選んだ。
レッズが石川を指名した際のポジション表記は、投手でも外野手でもなく「TWP(Two-Way Player)」だった。レッズのアマチュアスカウト部門を率いるジョー・カツカは、SECで野手を務めながら投球もできる運動能力を評価し、特に秋の投手としての成長に関心を示している。二刀流の継続が将来まで保証されたわけではないが、少なくとも入口から片方を捨てさせる指名ではない。
2026年の石川はジョージア大で38試合に先発し、打率.336、3本塁打、21打点を記録した。投手では10試合、14回1/3を投げて1勝1敗、防御率14.44。2月に死球で右足を骨折した影響もあり、今季は打者としての完成度が投手成績を大きく上回った。
ただし、二刀流は今年だけの看板ではない。シアトル大でプレーした2025年は、打者として打率.318、OPS.982、8本塁打、32打点を残し、投手としても66回1/3で73奪三振、22四球、防御率4.21を記録した。レッズが見ているのは今季の防御率だけではなく、前年まで含めた両面の実績と発展余地だ。
現時点で石川を安易に「次の大谷翔平」と呼ぶ必要はない。13巡目指名から始まるマイナーでの競争は厳しく、投手としては健康状態と制球を含めて再構築が要る。一方で、打席で結果を残しながら投手としての可能性を試せるなら、片方の成長がもう片方の挑戦時間を支える。二刀流は宣伝文句ではなく、プロで生き残る選択肢を二つ持つことになる。
ハワイで生まれ、7歳で日本へ移り、明秀学園日立高で甲子園を経験した石川は、亜細亜大からシアトル大、さらにジョージア大へと環境を変えてきた。今回の決断も単純な「日本か米国か」ではない。何度も海を渡って競争の場所を選んできた選手が、次の成長環境としてシンシナティを選んだ。
オリックスへの感謝も記した石川は、レッズとの契約によって学生選手からプロ選手へ立場を変える。次に注目されるのは、球団が石川をどの傘下チームへ配属し、打者と投手の出場機会をどう設計するかだ。日米をまたいだ進路選択は終わったが、二刀流を職業として成立させる本当の競争は、ここから始まる。